鰆と春菊 特集
寒さも盛りの二月ですが、四日には立春を迎え暦の上ではもう春が始まります。
今月はこの時期にぴったりな「旬は冬だけど“春”がつく食材」、鰆と春菊をご紹介します。
春菊
「春菊」という名前は春に菊に似た花が咲くことからついたもの。1年を通して流通していますが、旬は11月~2月、冬場の鍋料理にも欠かせません。春菊はβ-カロテンの豊富な野菜です。β-カロテンには、粘膜を健康に保ちウイルスの侵入を防ぐ働きがあります。風邪や感染症の流行する季節には最適な食材です。
β-カロテンは油に溶けやすい性質があるため、炒め物や油脂を含む食材と一緒に摂ると効果的です。
●薬膳ポイント
春菊は「氣」と「水」の巡りをよくする食材とされ、のぼせなど体内に溜まった余分な熱を排泄させたり、滞った水分で体が冷えるのを防ぐ働きがあると言われています。
鰆
魚に春と書いて「鰆」と読むのは、春の漁獲量が多かったため。古来から春を告げる祝い魚として季語にもなっていますが、最も脂がのって濃厚な味わいになる旬は産卵前の冬場です。脂ののった旬の鰆は、DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸の量も増え、血液や血管を健康に保ちます。成長期の子どもの
脳や神経の発達にも重要な働きをするので、積極的に食事に取り入れたい食材です。クセが少なく食べやすいため、魚嫌いの方にも食べやすい魚です。
●薬膳ポイント
鰆は「氣」を満たして「血」の滞りを流す食材とされ、素早くエネルギーを補給して体力を回復させると言われています。活発に動き出す春に向けて、体力を補って備えましょう。