今月の栄養メモ

筍特集

缶詰や真空パックに加工された筍の水煮は1年を通して流通していますが、生の筍が手に入るのは3月頃からの短い期間だけ。
店頭に並んだ皮付きの筍は、春の訪れを感じさせてくれる風物詩です。
旬の食材は香りや風味がよいものですが、その季節の体に必要な要素も詰まっています。

春を迎える身体をスッキリと!

筍はカロリーは控えめ。小鉢1人分程度の量(約50g)なら15kcal程度です。
旨味が強く、食感に食べ応えがあるのでよく噛んで食べることで満腹感も得られます。

また、比較的多く含まれるのは栄養素は、食物繊維やカリウムです。コレステロール値を抑えたり、胃腸のはたらきを活発にさせ、余分な塩分を排泄させ、身体をスッキリさせてくれる食材です。

カサの中の白い部分は、チロシンというアミノ酸の一種で旨味成分が結晶化したものです。神経伝達物質の元にもなる成分なので、洗い流さずにそのまま調理しても大丈夫!

●ポイント

筍のアクは口の中や喉にピリピリ、イガイガしたアレルギーのような症状を起こすことがあります。
生の筍を調理する時は、アクの原因となるシュウ酸がしっかり抜けるように、米のとぎ汁や米ぬかと一緒に茹でるのがポイントです。

余分な熱を除いて穏やかに

筍は体を強く冷やす性質を持つと言われる食材です。
夏ではなく春に旬を迎える食材が体を冷やすと聞くと不思議に感じるかもしれませんが、ここで言う「冷やす」は体温を下げることではなく、体内の過剰な熱や炎症をしずめるはたらきを指します。

春は老廃物を解毒したり、精神活動に影響する「肝」が弱りやすく、血が高ぶりのぼせやほてり、めまいなどが起きやすい季節と言われています。
こうした体の不調を、旬の筍の「冷ます」はたらきが取り除き、穏やかに過ごせるのです。

●ポイント

冷やし過ぎないためには、身体を温めるはたらきのある食材と組み合わせるのがポイントです。
大葉やあさつき、生姜などの薬味やかつお節は温める性質を持っています。

簡単にプロの味!

今月のおすすめレシピ
筍天茶漬

【材料 (2人分)】

■A
・たけのこ水煮 40g   
・油揚げ 20g   
・米 80g   
・昆布 4g   
・薄口醤油 8g   
・酒 10g   
・みりん 2g   
・だし 80g   
             
■B            
・たけのこ水煮 60g
・乾燥わかめ 0.4g
・ふきのとう 10g
・薄力粉 20g
・溶き卵 小さじ1
・水 大さじ2
・揚げ油 適量

■C
・だし 240cc
・みりん 小さじ1/2
・薄口醤油 小さじ1/2

【作り方】

① Aの材料でたけのこご飯を作る。
たけのこはいちょう切り、油揚げは短冊に切り、調味料と一緒に炊飯する。
② Bの材料でかき揚げを作る。たけのこはせん切り、わかめは水で戻してよくしぼり、ふきのとうは粗みじんにして、衣で和えて油で揚げる。
③ ①のたけのこご飯をおにぎりにして茶碗に盛り、②のかき揚げを乗せる。Cの材料を併せて沸かしただしを横から注ぎ、好みでわさび、あおさ海苔、三つ葉などを添える。

レシピ作成:
MERYX Lab.料理長 小林 正典

筍と海老の焼雲吞

【材料 (10個分)】

■A
・たけのこ水煮 50g
・えびのすり身 50g
・生姜 5g
・卵白 1/2個分
・塩こしょう 少々
・オイスターソース 小さじ1弱
・濃口醤油 小さじ1/2弱
・ごま油 小さじ1/2

・ワンタンの皮 10枚
・サラダ油 適量

【作り方】

① たけのこ、生姜はみじん切りにして、Aの材料をよく混ぜ合わせ、ワンタンの皮で包む。
② 鍋に湯を沸かして①のワンタンを茹でる。火が通ったら流水に取ってぬめりを洗い、軽く水気を拭く。
③ フライパンにサラダ油を熱し、②のワンタンの両面に焼き目を付けて器に盛る。

レシピ作成:
MERYX Lab. 中国料理責任者 志賀勇二

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