梅雨には梅で食養生
可憐な花と甘い香りで初春の訪れを告げるのが梅の花ですが、熟した実が旬を迎えるのは6月です。
梅干しや梅酒など日本人の食卓に欠かせない梅。「三毒を断つ」と言われるカラダにうれしい効果に迫ります。
- ✿ 梅は3世紀後半に中国から日本に伝わりました。
平安時代には薬用として、戦国時代には武士の出陣前の縁起物や兵糧として用いられ、江戸時代には庶民の間でも梅干を食べる習慣が広がります。
様々な文献からは、梅が健康食品として人々に認知されていたことが読み取れます。
- ✿ 「梅は体にいい」と言われる理由は、豊富に含まれるクエン酸にあります。
クエン酸は疲労回復や体内の活性酸素を抑える働きがあるほか、強い静菌作用で食中毒を防きます
。
また、梅のエキスに含まれるカテキン酸には整腸作用があり、腹痛や下痢にも効果があると言われます。
昔からお腹をこわした子どもに梅を飲ませる先人の知恵には、こうした根拠があるのです。
- ✿ 梅干に含まれる「バニリン」という成分には脂肪の燃焼効果があることがわかっています。
また、加熱すると効果が高まると言われています。
香ばしい焼き梅干はダイエット中のおやつにも最適です。
梅雨の食養生
東洋医学では、梅雨は「長夏」とも呼ばれ、雨が長く続くことで体内に不要な水分が溜まり、胃や脾が弱りやすくなる季節とされています。
この時期は、内臓を温めたり、余分な水分の排出を促す食材を使って養生するのがポイントです。梅は胃腸をととのえたり、体内の水分のバランスを保つ働きがあると言われており、梅雨の食養生にもおすすめの食材です。