今月の栄養メモ

サバ特集

炎症が起きた時に鎮める作用のことを「抗炎症作用」と言います。腫れ・発熱・痛みなどの「急性炎症」は、薬によって症状を抑えることができますが、喘息などのアレルギー性疾患や関節リウマチ、生活習慣病などの発症に関わる「慢性炎症」は、日々の食事の内容を見直すことで、症状を和らげることが期待できます。

オメガ3脂肪酸と抗炎症作用

体内で作ることのできない脂肪酸のことを必須アミノ酸と言い、これらの脂肪酸は食物から摂り入れなくてはなりません。代表的な必須脂肪酸は「ω3脂肪酸」エゴマや大葉に多く含まれるαリノレン酸、サバやイワシなどの青魚に豊富なEPA、DHAなど、またごま油などに含まれるリノール酸、肉類、魚類、レバーなどに含まれるアラキドン酸などの「ω6脂肪酸」があげられます。慢性炎症を和らげる抗炎症作用は、ω6脂肪酸に対してω3脂肪酸の比率が高いほど発揮されると言われています。ω3脂肪酸には、抗炎症作用の他にも心血管の保護作用や抗アレルギー作用などもあります。

サバには不足しがちな栄養素がたっぷり!

「サイレントキラー」とも言われる慢性炎症は、腫れや発赤などの急性炎症と異なり症状がわかりにくく自覚がないまま体内の炎症が長期にわたって継続し、生活習慣病や一部のがんなど様々な病気の発生に影響を及ぼします。サバに多く含まれるEPAは、抗炎症作用の他にも、血栓や高血圧、動脈硬化の予防、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らすなど、いわゆる「血液サラサラ効果」を発揮します。また、カルシウムの吸収を助けるビタミンDを豊富に含むので、中骨まで柔らかくなっているサバ缶では、不足しがちなカルシウムを手軽に効果的に摂ることができます。血合いに多く含まれる鉄も、野菜よりも吸収されやすい形のヘム鉄です。

血を補い全身に活力を与える食材

薬膳の考え方では、サバは体を温め血液循環をよくする食材とされ、体内の老廃物を流す作業があると言われています。肩こりや生理痛、しもやけなど、冷えが影響する不調を和らげます。

簡単にプロの味!

今月のおすすめレシピ
鯖の塩昆布蒸し

【材料 (2人分)】

・サバ切身  200g


・塩昆布   30g
・しば漬け  10g
・大葉    2枚
・オリーブ油 大さじ1

・生姜    5g
・白髪ねぎ 5cm

■A
・水      100ml
・和風顆粒だし 小さじ1/5
・塩      小さじ1/4
・酒      小さじ1
・濃口醤油   少々
・砂糖     少々

【作り方】

①サバ切身は骨と皮を取り除き、塩・長ねぎ・生姜を加えた酒(すべて分量外)に漬ける。
②塩昆布・しば漬け・大葉を粗く刻み、オリーブ油と和える。
③①のサバに②をかけて火が通るまで蒸す。
④鍋にAの調味料を沸かし、蒸し上げた③のサバにかけ、せん切りにした生姜と一緒に水にさらした白髪ねぎをのせる。

鯖の竜田揚げ 焼き野菜あんかけ

【材料 (2人分)】

・サバ切身  200g    

■B
・みりん   小さじ2  
・酒     小さじ1  
・濃口醤油  小さじ1  
・おろし生姜 少々   

・片栗粉   10g    
・サラダ油  適量   
・人参    20g     
・たけのこ  20g
・しめじ   20g    
・せり    15g

・だし汁   50ml
・みりん   小さじ1
・濃口醤油  小さじ1
・片栗粉   小さじ1/2
・紅葉おろし 適量

【作り方】

①Bの調味料を合わせてサバを漬ける。
②①のサバに片栗粉をまぶして油で揚げる。
③人参・たけのこは拍子木切り、しめじは小房にほぐし、せりは3cmに切る。
④熱した鍋で③の野菜を素焼きにし、焼き目が付いたらだし汁・みりん・濃口醤油を加えて軽く煮る。水溶き片栗粉でとろみをつける。
⑤器に②のサバを盛り④の野菜あんをかけをかけて紅葉おろしを添える。

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