今月の栄養メモ

トマトときゅうり特集

脱水症、脳梗塞を予防する

梅雨明けが近づき、気温が30℃を超える日も多くなりました。東京都の7月の平均気温は27~30℃、昼間の屋外を歩けば自然に汗が噴き出るような暑さが続きます。発汗によって失われる水分やビタミン、ミネラルを効率よく食事から補給し、脱水によるさまざまな不調や疾患のリスクに備えましょう。

脱水は万病のもと

発汗などによって体内の水分が不足すると、体がそれを補おうとして血液から細胞へと水分が移動し始めます。その結果、水分の減った血管内は濃度が上がり「血液ドロドロ」の状態になってしまいます。この状態は、脳梗塞など命に関わる健康障害を引き起こすリスクを高めます。特に夜間は血圧が下がるため、血流が滞って血管が詰まりやすくなります。就寝中の脱水防止のために、夕食時には水分とミネラルを十分に摂りましょう。喉が渇いていると感じる時は、すでに脱水が始まっています。1日1.2ℓを目安に意識してこまめな水分補給を心掛けましょう。また、発汗時に水だけを摂取していると、電解質のバランスが崩れて熱中症に陥ることもあります。水分と併せてカリウム、ナトリウム等のミネラルを補うことが重要です。

水分とミネラルを野菜から

スポーツドリンクは効率よく水分とミネラルを補給できますが、適正量を超えて飲み過ぎると血糖値が急激に上がり、さらに過剰な飲料摂取を招いて悪循環に陥る、いわゆる「ペットボトル症候群」や塩分の過剰摂取に繋がります。特に血糖値が高めの方は、水と食事で水分とミネラルを補いましょう。トマトやきゅうりは、汗で流出してしまうカリウムを豊富に含みます。水分たっぷりのみずみずしい旬の野菜は味も濃く、少ない調味料でも美味しく食べられるのが魅力です。

トマトやきゅうりは内側から体を冷ます

薬膳の考え方では、トマトときゅうりはどちらも体の熱を冷まして潤いを与える性質を 持つ食材とされています。体内に熱がこもって起きる不調を内側からやさしくいやします。

簡単にプロの味!

今月のおすすめレシピ
春雨トマト煮込み

【材料 (2人分)】

・豚小間肉 50g     
・春雨   20g     
・玉ねぎ  1/8個    
・トマト  1個     
・サラダ油 小さじ1   
・豆板醤  小さじ1/2
・にんにく 少々    
・こしょう 少々    
・ごま油  大さじ1

■A
・酒     20cc
・みりん   20cc
・濃口醤油  20cc
・酢     20cc
・中華スープ 40cc

・万能ねぎ  適量
・白ごま   適量

【作り方】

①トマトは湯むきしてくし切り、玉ねぎはスライス、にんにくはみじん切りにする。
②鍋にサラダ油を熱し、豆板醤・にんにく・豚肉・玉ねぎ・トマトを炒める。Aの調味料とお湯で戻した春雨を加え、水分がなくなるまで4~5分煮込む。
③春雨が調味料を含んだら、仕上げにごま油を加えて炒め合わせ、こしょうで味を調え器に盛って万能ねぎと白ごまを散らす。

レシピ考案
MERYX Lab.中国料理責任者 志賀 勇二

はんぺんの緑酢和え

【材料 (2人分)】

・はんぺん 1枚
・酒    小さじ1
・みりん  小さじ1
・薄口醤油 小さじ1

■B
・きゅうり 1本
・だし   大さじ1/2
・酢    大さじ1/2
・みりん  小さじ1/2
・薄口醤油 小さじ1/2
・砂糖   小さじ1/4

【作り方】

①はんぺんの両面を焼き色が付くまでフライパンで焼き、酒・みりん・薄口醤油を加えて焼き絡める。
②緑酢を作る。Bの調味料を合わせて火にかけひと煮立ちさせてから冷ます。きゅうりをすりおろしてキッチンペーパーに包み、軽く水気を絞って冷ました調味料を混ぜ合わせる。
③①のはんぺんを一口大に切り分けて器に盛り、②の緑酢をかける。好みで新玉ねぎのみじん切りやラディッシュなどを添える。

レシピ考案:
MERYX Lab.料理長 小林 正典

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